大好評の「画像生成AI Stable Diffusionスタートガイド」(通称 #SD黄色本 )ですが、GitHubでのソースコード公開に加えて、discordでのサポート、noteメンバーシップ向け掲示板でのサポートがあります。
今回はStability Matrixを使ったローカルGPU、Windows11/Mac(Apple Silicon)環境を中心に discord AICUサーバー「SD黄色本サポート」チャンネルに寄せられたトラブルシューティングノウハウをお送りします。
❏書籍「画像生成AI Stable Diffusionスタートガイド」の詳細についてはこちら
❏Google ColabでのAUTOMATIC1111 xformers関連の不具合と解決方法について (2024/5/22)
❏Fooocus v2.4.0リリース & AICUによるColab無料版で動く日本語UI版も継続メンテナンス実施
過去の #SD黄色本 記事についてはこちらをご参照ください
Checkpointの切り替えに失敗する
M3 MacBook Pro で報告されたケースですが、画像生成AIのモデル、つまり SD1.5やSDXL、もしくは bluePencilXL と言ったモデルの切り替えに失敗することがあります。 エラーメッセージの例
changing setting sd_model_checkpoint to bluePencilXL_v600.safetensors [83f960c769]: AttributeError
Stability Matrixにはこのようなログが表示されます。
基本的にはこのようなログをChatGPTやClaude、Gemini、Perplexityなどに貼り付けていただけると解決する事も多いですのでぜひやってみてください。
以下はChatGPT-4oでの上記のログの回答例です。 AttributeError:
AttributeError: ‘NoneType’ object has no attribute ‘lowvram’: このエラーはsd_modelがNoneであることを示しています。つまり、モデルが正しくロードされていない可能性があります。この問題は、モデルのロードプロセスで何かが失敗しているか、チェックポイントファイルが正しくないか、または欠落しているために発生することがあります。
ひとえに「メモリが足りない」という原因が多かったりします。もちろん、動作中に多くのコマンドや操作を投げることは避けたほうがいいです。多くのケースではケースでは起動しているChromeなどのWebブラウザ、不要なタブを閉じて再起動したり、再度選択を試してみたらできた、という事もよくあります。
ロードするモデルはSDXL系ですと4-6GBのファイルサイズがあり、VRAMやメインメモリにそれをロードするだけの容量がなければエラーになります。起動時オプションで「lowvram」というオプションがありますので、8GB以下のVRAMであればチェックオンしておくと動作の不安定を回避することができるかもしれません。
よくある他の事例としては ・checkpointが正しい場所にあるか →modelsフォルダ、その下の「Stable Diffusion」です StabilityMatrix-win-x64\Data\Models\StableDiffusion
・ダウンロードの途中で終わってしまっている(ファイルが壊れている) →削除してやり直し
といったケースがあります。いずれにしてもモデルの切り替えに失敗しているときはStability MatrixのコンソールやAutomatic1111右下に表示されていますのでエラーログを確認しましょう。 コツは「あきらめないこと」です!特にMac版。
ModuleNotFoundError: No module named ‘jsonmerge’
2024/7/12にご報告いただいたケース (新品のWindows11) > Stable Diffusion Web UI v1.9.4をパッケージに追加して、Launchを押すと、いろいろ文字が出て、最後に
File “C:\Data\Packages\stable-diffusion-webui\repositories\k-diffusion\k_diffusion\config.py”, line 6, in <module> from jsonmerge import merge ModuleNotFoundError: No module named ‘jsonmerge’
と表示されて止まってしまいます。
まず、基本的なところで、Stability Matrixを利用すると、個別にPythonをインストールする必要はなくなります。 つまり、想像するに、ローカルで既にインストールされたPython環境とぶつかっている可能性があります。
もしWindows + R →「cmd」でコマンドプロンプトを起動して、 python -V と打って Enter ボタンを押して、上記のように Python 3.10.6 と出るか、もしくは「コマンドが見つかりません」というエラーが出れば問題なしですが、他のバージョンのPythonが出てくるようですと、まずはいったん、Pythonをアンインストールしたほうがいいと思います。
・Stability MatrixのAutomatic1111を更新する →Packageでで確認できます
・Stability MatrixのAutomatic1111を削除してインストールし直す →生成済みの画像も削除される可能性がありますので一旦退避しましょう。
・Stability Matrixをアンインストールして入れ直す
・[上級者向け]足りないモジュールを手動でインストールする Redditで同様の不具合が報告されています Error: ModuleNotFoundError: No module named ‘jsonmerge’ https://www.reddit.com/r/StableDiffusion/comments/13e6srs/error_modulenotfounderror_no_module_named/
・[非常に簡単な方法]Windows11に新ユーザをつくる 設定→アカウント→その他のユーザー→「アカウントの追加」で解決することが多いです。 これは「demo」というユーザを作成している例です。
解決策:Google Colabを並列にする
Stability Matrixは手元のGPUで使えて嬉しいのですが、本格的に画像生成をしたりオリジナルのLoRAを学習させたりといった複数の作業を行うときは、1台のPCでも辛くなってきます。 Google Colab Proの環境は有料ではありますが、Proのライセンスであればクリーンなインストール環境、高速なGPU、高速な回線であり、特に困ることは少なくなります。 ローカルのGPUをメインで使う場合も問題分析がしやすくなります。
本書ではGoogle Colabでの環境構築やColabで動くノートブックも並列で解説・メンテナンスしていますので、ぜひとも使ってみてくださいね!
以上、「画像生成AI Stable Diffusionスタートガイド」のトラブルシューティング情報でした!
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