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[ComfyMaster57] ComfyUIをデスクトップアプリで使ってみよう〜Stability MatrixとComfyUI Desktop Mac編〜

更新日:4月10日


これまでに、ComfyUIマスターシリーズでは、主にGoogle Colabや共有ComfyUIでの動作を前提にお話ししてきましたが、ComfyUIはクラウドだけでなく、もちろんローカルPC上で動作させることもできます。ComfyUIは、そのためのデスクトップアプリを提供しており、ユーザーはハイスペックPCがあれば簡単にローカルPCでComfyUIを実行できます。今回は、クラウド以外の手段でのComfyUIの実行方法、特に Apple Silicon搭載Macでのインストールやセットアップを解説します。


1. ComfyUI専用デスクトップアプリ: ComfyUI Desktop

ComfyUI Desktopとは

ComfyUI Desktopは、ComfyUIを簡単にインストールおよび使用をできるようにしたデスクトップアプリです。AICUでも以前にComfyUI Desktopを取り上げました。当時はクローズドβとして提供されていたことから、一部のユーザーのみが利用可能でしたが、現在はオープンβとして全てのユーザーに公開されています。


前回の記事はこちら。


また、前回からの変更点として、Windows版だけでなく、Mac版も提供開始されました。


今回は、Mac版のインストールから使用までの流れを確認していきます。


ComfyUI Desktopのインストール

まずは、ComfyUI Desktopのインストールから開始しましょう。以下のリンクにアクセスしてください。



リンクにアクセスすると、以下のようにアプリのダウンロード画面が表示されます。ここで、「Download Mac」をクリックしてください。


そうすると、「ComfyUI x.x.x - arm64.dmg」(x.x.xはバージョン)というファイルがダウンロードされます。このファイルをクリックすると、以下のようなダイアログが表示されるので、「ComfyUI.app」をドラッグ&ドロップで「Applications」フォルダに格納してください。これでインストールは完了です。


ComfyUI Desktopの起動とComfyUIのインストール

それでは、ComfyUI Desktopを使ってみましょう。インストールしたComfyUI Desktopを起動すると、以下の画面が表示されます。ありがたいことに日本語に対応しています。ここでは、「はじめる」をクリックします。


ここで gitコマンドがインストールされていない環境の場合は以下のメッセージが表示されます。Apple公式の「コマンドラインデベロッパーツール」をインストールしましょう。




次の画面では、使用するGPUを選択します。Macの場合は、MPS、Manual Configuration、CPUモードの3つから選択します。


MPS(Metal Performance Shaders)は、AppleのMac向けGPU高速処理フレームワークです。ComfyUIでMPSを選択すると、MacのGPUを使用して処理を行います。


Manual Configuration(手動設定)モードでは、GPU処理に関する詳細なパラメーターを自分で設定できます。注意点としては、「完全にサポートされていない」と表示されていることから、意図しないバグが存在する可能性があります。腕に自信のある方以外は、このモードの使用は避けましょう。


CPUモードは、GPUを使わずにMacのCPUのみで処理を行うモードです。通常の使用では、このモードを使うことはないです。現状の使用としては、ComfyUIでGPUを必要としない処理の実行のみを目的とし、意図的にCPUモードにしたい場合になるでしょう。


GPUの選択が終わったら、次はインストール先を選択します。ここではデフォルトで設定されている「/Users/[ユーザー名]/Documents/ComfyUI」にインストールします。


次は、既にComfyUIをインストール済みの方向けの設定になります。もし、ComfyUIをインストール済みならば、そのフォルダを指定することで、既存のユーザーファイルとモデルを新しいインストール先に移行できます。今回は、インストール済みのComfyUIはないので、何も設定せずに「次へ」ボタンをクリックします。


最後にアプリケーションの設定をします。ここでは、以下の設定が可能です。


  • 自動更新:ComfyUIの自動更新の有効/無効を設定します。


  • 使用状況のメトリクス:ComfyUIの使用状況をComfy Orgに送信する機能の有効/無効を設定します。


  • ミラー設定:Python、Pip、Torchのインストール元のURLを設定します。通常は、この設定の変更は不要です。


全ての設定が完了したら、「インストール」ボタンをクリックします。


ComfyUIや必要なパッケージなどのインストールが開始します。インストールの完了を待ちましょう。


インストールが完了すると、ComfyUI画面が表示されます。


ComfyUI DesktopでのComfyUIの使用

ComfyUI DesktopでのComfyUIの使用は、通常のComfyUIと変わりません。異なる点としては、ComfyUI ManagerからComfyUIのアップデートができないことです。これはComfyUI Desktopの方で行われるためです。それ以外に大きな違いはないため、通常のComfyUIと同じように使用できます。


2. Stability Matrix

Stability Matrixとは

Stability MatrixはStable Diffusionに特化したマルチプラットフォームのパッケージマネージャ兼推論UIとして、多種多様なWeb UIパッケージ(例:Automatic1111、ComfyUI、Fooocusなど)のインストール・更新、モデル・拡張機能の管理をワンクリックで実現するツールです。


AICUでもStability MatrixをAutomatic1111の文脈で度々扱ってきました。


今回は、Stability MatrixでComfyUIの使用方法を解説します。


Stability Matrixのインストール

それでは、Stability Matrixのインストールから開始しましょう。以下のリンクにアクセスしてください。



当該リンクにアクセスすると、各バージョンのリリース情報が表示されます。各リリース情報の下部にある「Assets」セクションから、自身のOSに合うパッケージをダウンロードしてください。基本的には最新バージョンのパッケージのダウンロードで問題ありません。ここでは、v2.13.4を例に取ります。v2.13.4の場合は、パッケージとして以下の3種類のファイルがあります。今回は、Mac用のパッケージをダウンロードします。



  • StabilityMatrix-macos-arm64.dmg:Mac用のパッケージです。対象のCPUはApple製のみで、Intel製CPU用のパッケージはありません。



ここからは、Macの場合の説明をします。ダウンロードしたdmgファイルをクリックすると、以下の画面が表示されます。画面左の「Stability Matrix app」をドラッグ&ドロップで右の「Applications」フォルダに格納してください。これでインストールが完了です。


Stability Matrixの起動とComfyUIの設定

それでは、Stability Matrixを起動してください。起動すると、最初に以下の画面が表示されます。ここでは、「Select a different default GPU」をクリックすることで、他のGPUを選択することができます。Macの場合、基本的にはApple製CPUを選択します(デフォルトでApple製CPUです)。

GPUの選択をしたら、使用許諾契約書に同意し、「続ける」ボタンをクリックします。


そうすると、Stability Matrixのトップ画面が開きます。ここでは、まずはデータの保存先を設定します。データの保存先は、データフォルダを直接指定する方法と、Portableモードをオンにし、アプリケーションと同じフォルダにデータを格納する方法があります。今回は、Portableモードはオフで、データフォルダを直接指定する方法で進めます。データフォルダを設定したら、「続ける」ボタンをクリックしてください。


次の画面では、Stability Matrixの改善のためにデータ共有に協力するかを尋ねられます。データ共有して問題なければ「Share Analytics」、データ共有を拒否する場合は「Don't Share Analytics」をクリックしてください。


次にUIのインストール画面が表示されます。ここでは、WebUI Forgeや、Automatic1111などの生成AIツールをインストールします。今回は、ComfyUIを選択してください。


次に推奨モデルが表示されるので、ダウンロードしたいモデルに選択し、「ダウンロード」ボタンをクリックしてください。


ComfyUIのインストールが開始されます。インストールが完了すると、自動的にダイアログが閉じます。閉じない場合は、「隠す」ボタンをクリックしてください。


インストールが完了したら、ComfyUIの「Launch」をクリックしてください。


ComfyUIの起動が開始します。ComfyUIの起動が完了すると、上部に「Web UIを開く」というテキストが表示されるので、こちらをクリックします。


そうすると、ブラウザでComfyUIが表示されます。ComfyUI V1と異なり、あくまでStability Matrixは各生成AIツールを管理しているだけなので、起動はブラウザ上になります。


ComfyUI Managerのインストール

Stability Matrixの場合、初期状態ではComfyUI Managerがインストールされておらず、カスタムノードの追加やアップデートなどが行えません。そのため、ComfyUI Managerのインストールが必要になります。

ComfyUI Managerのインストールは、コマンドラインから実施する方法と、UIから行う方法がありますが、今回はUIから実施したいと思います。


まず、以下のComfyUI Managerのリポジトリにアクセスしてください。



ComfyUI Managerのリポジトリを開くと、以下のような画面が表示されます。ここで、緑色の「Code」ボタンをクリックし、開いたサブメニューから「Download ZIP」をクリックしてください。これで、ComfyUI Managerのリポジトリ内のファイルがzipでダウンロードされます。このファイルは後ほど使用するので、解凍しておいてください。


次に、Stability Matrixのデータフォルダを開きます。データフォルダは、最初に設定した場所(デフォルトでは"'/Users/[ユーザー名]/Library/Application Support/StabilityMatrix")になります。

次に、データフォルダ内の「Packages」フォルダを開きます。


「Packages」フォルダ内の「ComfyUI」フォルダを開きます。


次に、「custom_nodes」フォルダを開きます。


先ほどダウンロードして解凍したComfyUI Managerのフォルダをこのフォルダの中に格納します。


これでComfyUI Managerのインストールが完了しました。この変更をComfyUIに適用するためにComfyUIを再起動します。Stability Matrixの画面上にある「リスタート」ボタンをクリックします。


再起動が完了したら、ComfyUIの画面を再度開いてください。画面を見ると、ComfyUI Managerがインストールされていることが確認できます。これでComfyUI Manager経由でカスタムノードのインストールが可能になります。


モデルのインストール

次にモデル(checkpoint)をStability Matrix上からインストールします。まず、左サイドメニューにある三本線のアイコンをクリックします。

そうすると、左サイドメニューが大きく開きます。この中から「Checkpoint Manager」を選択します。


画像

そうすると、CivitAIまたはHugging Faceからモデルをダウンロードする画面が表示されます。


CivitAI
Civitaiは、Stable Diffusion用のモデルを投稿したり、ダウンロードしたりできるプラットフォームです。このプラットフォームでは、多種多様なAIモデルが共有されており、ユーザーはこれらを活用して画像生成の質を向上させることができます。
Hugging Face
Hugging Faceは、AIモデルやデータセットをホスティングおよび共有するための中心的なサービスです。2023年8月時点で2万を超えるデータセット、5万のデモアプリが登録されています。

ここで、ダウンロードしたいモデルのカードをクリックすると、以下のようにバージョンを選択する画面が表示されます。ここでバージョンを選択し、下部の「インポート」をクリックします。


そうすると、ダウンロードが開始します。ダウンロード状況を把握するには、左サイドメニューの「ダウンロード」をクリックします。


そうすると、モデルのダウンロード状況が確認できます。


ダウンロードが完了したら、ComfyUIをリロードしてください。そうすると、チェックポイントとしてRealistic Visionが追加されていることを確認できます。


モデルの削除

次は、インストールしたモデルを削除してみましょう。まずは、Stability Matrixのサイドメニューから「Checkpoint Manager」を選択します。


インストール済みのモデル一覧が表示されます。ここから削除したいモデルを選択し、下部に表示される「削除」ボタンをクリックします。


削除の確認画面が表示されます。「ゴミ箱に送る」をクリックで、モデルをゴミ箱に移すことができます。ここで「完全に削除する」にチェックを入れると、ゴミ箱を通さずに完全に削除します。


ワークフローのダウンロード

次は、OpenArtから様々なワークフローをダウンロードする方法を解説します。


OpenArt
OpenArtは、AI画像生成用のComfyUIワークフローを共有・発見・実行できるプラットフォームを提供しています。

左サイドメニューから「ワークフロー」を選択します。


そうすると、OpenArtからワークフローを取得する画面が表示されます。


ここで、ダウンロードしたいワークフローをクリックすると、そのワークフローの詳細情報が表示されます。この画面の「Options」セクションにある「Install Required Nodes」にチェックを入れて、「インポート」ボタンをクリックすると、ワークフローのインポートだけでなく、このワークフローに必要なカスタムノードのインストールも同時に行われます。


インストールが実行されるので、終了まで待ちます。


インストールが完了したら、「インストールされたワークフロー」タブを選択してください。そうすると、インポートしたワークフローが表示されます。このワークフロー上で右クリックして表示されるサブメニュー上から、「エクスプローラで開く」をクリックしてください。


ワークフローが格納されているフォルダが開きます。このフォルダ内のワークフローをドラッグ&ドロップでComfyUIにロードしてください。


ロードされたワークフローを見ると、必要なカスタムノードがインストールされていることが確認できます。このようにしてワークフローと必要なカスタムノードを簡単にインポートできます。


3. Mac Book Pro M4 128GBでのベンチマーク

AminateDiffによる動画生成です。


4. まとめ

本記事では、ComfyUIをローカルPC上で実行するための2つの主要な方法について解説しました。クラウド環境に依存せず、自分のPC上でComfyUIを活用するための選択肢として、ComfyUI DesktopとStability Matrixの2つのアプリケーションを紹介しました。


いずれの方法も、ローカル環境でComfyUIを使いたいユーザーにとって有効な選択肢となります。ComfyUI Desktopはシンプルさと直感的な操作を重視する方に、Stability MatrixはComfyUI以外のツールも含めて総合的に管理したい方に適しています。特にStability Matrixは、モデルやワークフローの管理が直感的に行える点が特徴です。


自分の用途や好みに合わせて、これらのツールを選択することで、クラウド環境に依存せず、ローカルPCの性能を活かしたComfyUIの活用が可能になります。


Originally published at note.com/aicu on Mar 11, 2025.


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